YMF2019

横浜港160年の歩み

横浜港は1859年の開港以来、西洋と東洋の経済・文化の懸け橋としてその役割を果たしてきました。

21世紀に入り、横浜港は重要な新規整備計画を確立しながら、多くの機能強化を実現してきました。新規コンテナターミナル客船ターミナルの建設、加えてLNGバンカリング拠点開発への取組により、横浜港並びに横浜市に著しい経済効果をもたらすことが期待できます。

東日本有数の国際貿易港である横浜港は、東京湾の北西部、入口に位置し、アクセス性、地理的優位性を備える自然の良港であり、太平洋航路(西航)においてアジア側の最初の寄港地であり、東航における最後の寄港地でもあります。

横浜港にはコンテナ、ブレークバルク、ドライバルク、自動車、そしてLNGを含む様々なニーズに対応する港湾施設を備えています。また、客船においてもインバウンドとアウトバウンドのどちらも対応できるセンターとなっています。

コンテナの取扱ランキングにおいては、横浜港は世界で45位にランクインしています。

ターミナル等港湾施設の開発

横浜港の港湾物流施設は主に本牧ふ頭、大黒ふ頭、南本牧ふ頭に集積しています。うち、本牧ふ頭の取扱能力は国内最大級であり、水深16m岸壁を有し、10,000TEU級のコンテナ船の着岸にも対応できます。

増加するコンテナ取扱量と大型化するコンテナ船舶に対応すべく、横浜港は、荷役能力向上に資する最新鋭の機器の導入を進めるとともに、効率的かつ計画的に臨海部の埋め立てを進め、新しい施設が着々と整備されています。

横浜港は境運河から鶴見地区、京浜工業地区、根岸湾から八景島まで広がっています。臨港地区面積2,863ヘクタールを含むその港湾全体区域は10,148ヘクタールです。

将来的に、現在大黒ふ頭にあるコンテナターミナル機能を本牧ふ頭にシフトし、大黒ふ頭の機能を自動車船に特化する予定です。建設中の南本牧ふ頭MC-4は、国内最大級の岸壁水深18mを有し、2020年度に完成予定です。稼働中の同水深岸壁を有するMC-1、MC-2、MC-3と並んで、横浜港を代表する最新税コンテナターミナルとなります。

横浜港は、将来の発展のため、コンテナなど港湾物流への対応に加え、市民が豊かに暮らす港町、人々が訪れ、楽しむ港町づくりへの寄与も重要なコンセプトとして注力しています。

客船事業

横浜港は、現在、長きにわたり市民の憩いの場でもある山下公園に隣接する山下ふ頭の物流機能を、ベイブリッジの外側にある本牧ふ頭、南本牧ふ頭、大黒ふ頭へシフトを進めています。

市民生活に近いベイブリッジの内側のエリアに、客船ターミナルやMICE(会議・研修/ 報奨・招待旅行/学会・国際会議 /展示会 )施設等に集中させることで、その近隣公園や、関連するレストランとショッピングセンターなどの商業施設への集客が見込まれています。

横浜港は、首都圏へのゲートウェイに相応しく、多くの客船の発着地として選ばれています。東京湾奥に位置する東京港に比べ約11海里も短いことから、客船会社にとって、パイロット料や燃料費等のコストセーブができる上、乗船客にとっても、より多くの時間を観光に充てることができます。

また、客船ターミナルは利便性の高いロケーションである横浜市中心部に立地しているため、徒歩圏内にも観光名所やショッピングモールなどの商業施設が充実しています。また、公共交通機関の利用により容易に東京都内や、富士山や鎌倉等といった人気の観光地へのアクセスも可能です。

持続可能性~LNGバンカリング事業と環境対策~

地理的に、横浜港と川崎港は太平洋航路においてアジア側の西航最初もしくは東航最後のバンカリング拠点として理想的な場所になりえます。2020年1月1日からのIMO硫黄排出規制強化に伴い、多くの船主が従来の燃料からLNGへの移行を始め、準備をすすめています。

LNG輸入大国である日本は東京湾だけでも五つのLNG輸入貯蓄基地があり、これは、横浜港がLNGバンカリング拠点の形成にあたり相乗効果を生み出しやすい構図です。中でも、根岸基地は横浜港にとって、物理的に最もアクセスが良いと言えます。

国土交通省は、2016年、シンガポール海事港湾庁(MPA)などと共にLNGバンカリング拠点形成に向けた国際的な港湾間協力体制を構築しました。現在までに参加団体は、ロッテルダム港湾公社、ゼーブルージュ港湾公社、アントワープ港湾公社、ノルウェー海事庁、マルセイユ港、ジャクソンビル港湾公社、バンクーバー港、蔚山港湾公社、スエズ運河経済特区庁など、12にまで増えています。

この新しい時代の到来に備え、国際協力体制を強化すべく、YKIPは、横浜港の代表として、LNGを船舶燃料として推進するNGO国際団体“SEA\LNG”に参加しています。この団体と共に、実際横浜港に寄港している太平洋航路コンテナ船をモデルケースにLNGの経済的優位性検証のため、LNGとその他代替案の比較を行いました。(詳しくは10月25日のセッションでお聞きください。)また、国際港湾協会(IAPH)傘下の港湾管理者によって構成された、安全なLNGバンカリングの実行を保障するための分科会に参加し、LNGバンカリング業者を監査するツール“Audit Tool”の開発に参画しています。(詳細は10月24日のセッションでお聞きください。)

更に、YKIPは他の関係企業2社とともにLNGバンカリング事業に参画し、2018年11月5日には新たな組織が設立されました。2020年度のSTS方式でのLNGバンカリング実現に向けて着々と準備を進めています。

2015年以来、横浜港のLNGバンカリングへの取組を推進してきており、日本初のLNG燃料船・タグボート“魁”へのタンクローリによるバンカリングは現在も継続しています。

また、横浜港は、環境対策の一環として、IAPH環境船舶指数(ESI)もしくはグリーンアウォード財団からの認証取得をもってエコシップとみなされた船舶に対してインセンティブ制度を実施しています。

新たな歩みに向けて

開港160年を迎えた横浜港は今、21世紀にふさわしい世界レベルの港として、160年の歴史から蓄積された経験とノウハウを継承しながら、引続き一層の努力と革新を遂げていきます。